なぜ真庭の木で家を建てるのか|補助金だけではない「地元の木を使う意味」

10月は「木材利用促進月間」です。
林野庁では10月8日を「木材利用促進の日」
10月を「木材利用促進月間」と位置づけ、木材を暮らしや建築に取り入れる「ウッド・チェンジ」の取り組みを全国で進めています。
2026年度も、森林資源を「伐って、使って、植えて、育てる」循環につなげることが大きなテーマになっています。リンヤ
真庭市で暮らしていると、山や森林はとても身近な存在です。
真庭市は市域のおよそ8割を森林が占め、林業・製材・CLT・木質バイオマスなど、木を中心とした産業が地域の中で続いてきました。真庭市公式サイト
では、真庭で家を建てるときに、地元でつくられた木材を使うことにはどんな意味があるのでしょうか。
単に「木の家だから気持ちいい」「補助金がもらえる」という話だけではありません。
木を使うことは、森を使い続ける循環の一部
「森林を守るなら、木を切らない方がいいのでは?」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、人が植えて育ててきた人工林では、成長した木を適切な時期に利用し、再び植えて育てるという循環が重要です。
林野庁によると、日本の人工林の多くはすでに利用期を迎えています。
木材を使うことは、
伐る → 使う → 植える → 育てる
という森林資源の循環の一部です。
適切な森林管理と木材利用を組み合わせることで、森林が持つCO₂吸収、水源涵養、国土保全などの機能を将来へつないでいく考え方です。リンヤ
つまり、木を「使わないこと」が必ずしも森林を守ることになるわけではありません。
使い、再び育てる仕組みまで続けることが大切なのです。
家に使った木は、炭素を長く蓄える
木は成長するときに大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素として内部に蓄えます。
伐採された後も、住宅の柱や梁などとして使われている間、その炭素は木材の中に貯蔵されています。
林野庁では、建築物に使用した木材について炭素貯蔵量を算定・表示するためのガイドラインも設けています。
木造住宅や木造建築を「第二の森林」と捉える考え方です。リンヤ
真庭市でも、木材利活用促進支援事業を利用して建てた住宅には、使用した木材の炭素固定量を示す木製プレートが贈られています。真庭市公式サイト
自分たちが暮らす家そのものが、長期間木材を利用する場所になる。
これも木造住宅の一つの意味です。
「真庭産材」は、実は“真庭で伐った木だけ”ではありません
ここは制度を調べていて特に注意したいポイントです。
真庭市の補助制度でいう「真庭産材」とは、単純に「真庭市の山から伐採した木」という意味ではありません。
2026年度制度では、真庭市内の製材所で製材された国産材で、含水率25%以下の製材品と定義されています。
また、真庭産の集成材・CLTについては、市内製材所で製材した国産材のラミナを使い、市内で製造したものが対象です。真庭市公式サイト
つまり、重要なのは「木がどこで伐られたか」だけではなく、
国産材を使い、真庭の製材・加工産業を通して住宅に利用すること
まで含めた仕組みになっています。
この点は「地元材」という言葉を使うときにも正確に伝えたいところです。
2026年度は新築住宅に60万円、ZEHなら最大90万円
真庭市では現在、「真庭市木材利活用促進支援事業」を実施しています。
対象となる一戸建て木造住宅では、条件を満たせば新築1戸につき60万円。
さらに「ZEH」または「Nearly ZEH」として必要なBELS評価を取得した住宅では、30万円が上乗せされ最大90万円となります。
受付は2026年12月28日までですが、予算に達した時点で終了します。真庭市公式サイト
ただし「木造住宅なら全部対象」ではありません。
主な条件として、主要構造部材に真庭産材等を8㎥以上使用すること、住宅部分の延床面積が80㎡以上であること、在来軸組工法であることなどが定められています。真庭市公式サイト
さらに、この補助制度は住宅金融支援機構と連携しており、条件を満たせば【フラット35】地域連携型による一定期間の金利引下げを利用できる場合もあります。真庭市公式サイト
補助金だけを見るのではなく、住宅ローンまで含めて確認しておきたい制度です。
リノベーションにも真庭産材の支援があります
木材利用は新築だけではありません。
2026年度は、真庭産材を使ったリノベーションや外構工事についても、市内建築事業者等を対象とした支援があります。
真庭産材の購入費・加工費・運搬費の合計の2分の1、上限30万円。
一定の建築物木材利用促進協定を結んだ市内事業者が市内建築物を施工する場合は上限50万円です。
受付は新築と同じく12月28日までで、予算到達時には終了します。真庭市公式サイト
「全部を木にする」のではなく、床・壁・天井・造作家具・外構など、暮らしの中で木を感じられる場所に使う方法もあります。
地元の木を使えば、家の性能が自動的に良くなるわけではない
ここも重要です。
木材には調湿作用や比較的高い断熱性があり、木質空間について心理面・身体面への効果も研究されています。林野庁も木材利用の特徴として紹介しています。リンヤ
しかし、
「真庭産材を使ったから高断熱住宅になる」
「無垢材だから耐震性が高くなる」
という単純な話ではありません。
家の断熱性能は断熱材・窓・気密・熱橋対策などによって決まり、耐震性能は構造計画や壁量、接合部、基礎などを含めて判断する必要があります。
木材の産地と住宅性能は、それぞれ別にきちんと設計する必要があります。
松岡建設では、真庭・岡山県産の杉や檜などを活用しながら、断熱等性能等級6以上、耐震等級3、パッシブ設計といった住宅性能を組み合わせて考えています。
木を使うことを目的にするのではなく、
「地域の木を使いながら、長く安心して快適に暮らせる家にする」
ことが大切だと考えています。
家を建てることが、地域の森とつながっている
家づくりでは、間取りや住宅設備、デザインに目が向きがちです。
でも、柱や梁に使う一本一本の木にも、
森林で育つ
↓
伐採される
↓
製材される
↓
大工が加工する
↓
住宅として何十年も使われる
という流れがあります。
真庭には森林があり、製材所があり、木材産業があり、そこで働く人がいます。
真庭市も、真庭産材の利用促進を健全な森林の育成、循環型社会、地球環境の保全、林業・木材産業の振興につなげる方針を示しています。真庭市公式サイト
だからこそ、真庭で家を建てるなら、
「何で家を建てるか」
にも少し目を向けてみてはいかがでしょうか。
松岡建設では、住宅性能・間取り・予算だけでなく、地域の木をどう生かすかまで含めた家づくりをご提案しています。
補助金を使えるか知りたい。
真庭産材と普通の木材は何が違う?
杉と檜はどこに使い分ける?
ZEHと真庭産材の補助を組み合わせたい。
そんな段階からでもお気軽にご相談ください。
地域の木を使って、地域で暮らす家をつくる。
10月の木材利用促進月間を、家づくりと森とのつながりを考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか




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